劇場:本多劇場
出演:加藤健一・畠中洋
作:ジョン・マランス 訳:小田島恒志 訳詞:岩谷時子 演出:久世龍之介
お勧め度:★★★(星3つ)
ウィーンに住むマシュカン教授は、ピアノは下手くそで、声楽家としても峠を過ぎたヴォイストレーナー。ある日、そんな彼の前に、かつて神童と言われたピアニストのスティーブンが現れる。スティーブンは音楽の壁に突き当たって、ピアノが弾けなくなってしまい、クラシック伴奏者への転向を考えていた。そのためのレッスンを受けるのに、何故かマシュカン教授を紹介されたのだ。
ピアニストであるスティーブンに、マシュカン教授は何を思ったのか、シューマンの連作歌曲「詩人の恋」を全編歌いこなすことを課題とする。ピアニストが何故、歌を?と強く反発するスティーブンだが、嫌々ながらも歌のレッスンを始める。最初はマシュカン教授の考えが全く理解できなかったが、数ヶ月のレッスンを通してスティーブンは次第に音楽の心をつかみ、二人は互いに閉ざしていた心を開いていく。年齢も国籍も全く異なる二人の間に、友情とも呼べるものが生まれる。そして、マシュカンの秘められた過去も立ち現れて…。
2003年初演 2006年再演に続く3演目の今回。
最近は、観たいのに観られない状態が続いていますが、加藤健一事務所は元々好きなカンパニーなので 畠中さん出演と聞けばいてもたってもいられないせんわ(笑)
とはいえ この作品 カトケン事務所の数々の作品の中で 私の中でベスト3に入る作品でもあります。
今回は。。。この作品でも使われるシューマンの「詩人の恋」のCDを聞き込んで出かけました。
舞台で使われている以外のナンバーを聞いてみたかったっていうのが一番の理由。
ドイツ語理解できないしね。。。汗
でも。。。。
劇中でマシュカンが言う「喜びと哀しみ。この二つが合わさってこそ優れた『音楽』が生まれる」という言葉がより分かるような^^
ところで 私が観た日はカトケン事務所が必ず公演中に一度行う【視覚障害者のための説明会】の日。
これは、開演の1時間前に 視覚障害者が舞台をより理解しやすいように 舞台装置の説明をするというもの。
良く行く日がこの日にぶつかることが多いのですが、今回はいつも以上に視覚に障害を持っていらっしゃる方が劇場にいらしたような。
盲導犬もたくさんきてました。
作品の良さもさることながら、カトケン事務所が地味に続けてきた試みの成果かと^^
さて。。。舞台。
初日が前日だったこともあり、いわゆる「魔の二日目」?
全般的に かたさみたいなものを感じました。まだこなれてない感じ?
夫は「前回の方が良かった」と言ったぐらいですから。。。汗
ただ。。。今回は前回に比べて より スティーブンの心のひだが分かりました。
そして マシュカンの虐げられた者が持っている「慈悲の心」
前述した「喜びと哀しみ~」は そのまま彼らの人生。
うーん 深いなぁ。
テーマは暗く深いけれど、それをそうと感じさせない「笑い」で救われます。
そして。。。毎回自分の精神状態にもよるんでしょうけれど。きっとそれなりに私も変化していて。。。。
同じ作品であるにもかかわらず、感じ方が変化していたりします。
初演以来 ずっと声楽のレッスンを続けているという 加藤さんの歌声もとってもお上手で素敵です。
ミュージカルで これぞ演劇である!というのを見せてほしいぐらい!
あっ。。それはそれでもったいない??(笑)
何よりも客席から 加藤さんと畠中さんがそれぞれお互いを信頼して演じているのが分かり それも心地よかったです。
今回はちょっと 100%の満足とはいかなかったですが 本多の後 地方公演を経て 紀伊國屋サザンシアターに戻ってくる頃には、もっともっと素敵な作品になっているでしょうね。
紀伊國屋で再びこの作品に出会えるのが楽しみです。
まだこの作品に出会っていない方。。。
日程はこちら!
地方公演もありますし、今回は来月また東京に戻ってきます。
都合がついたら ぜひ足を運んでみてくださいね^^

基礎体温【 36.33】度
2008,09,10 Wed 13:04
コメント
雫さん>
そうなんですよねぇ。。。
しかも労演とかとかの主催だと 会員じゃないと入れなかったりするし。。。。
また数年後にはきっとやると思うので。。東京遠征の時とか(笑)機会があったらご覧になってくださいね^^
本当に 自信を持ってお勧めできる作品だったりします。
そうなんですよねぇ。。。
しかも労演とかとかの主催だと 会員じゃないと入れなかったりするし。。。。
また数年後にはきっとやると思うので。。東京遠征の時とか(笑)機会があったらご覧になってくださいね^^
本当に 自信を持ってお勧めできる作品だったりします。
| しおん | EMAIL | URL | 08/09/12 13:14 | ssJ4.hPI |
そうなのですか!
前回知らなくて見逃したの、惜しいなあ・・・
ストレートプレイの地方公演は平日1回こっきりのことも多いので
ほんと一期一会なんですよね。
次の御縁は逃がさないように頑張ります^^
前回知らなくて見逃したの、惜しいなあ・・・
ストレートプレイの地方公演は平日1回こっきりのことも多いので
ほんと一期一会なんですよね。
次の御縁は逃がさないように頑張ります^^
| 零 | EMAIL | URL | 08/09/11 23:48 | VXJemPhc |
雫さん>
ご来訪ありがとうございます^-^
確か前回は雫さんのテリトリーまで行ったような記憶があるんですけど。。。
本当に良い作品なので 機会があったらご覧になってくださいね^^
絶対にまたやると思うんで^^
ご来訪ありがとうございます^-^
確か前回は雫さんのテリトリーまで行ったような記憶があるんですけど。。。
本当に良い作品なので 機会があったらご覧になってくださいね^^
絶対にまたやると思うんで^^
| しおん | EMAIL | URL | 08/09/11 12:43 | ssJ4.hPI |
リンク先のページを見て、とても興味をひかれました。
紹介されている小田島さんの書かれた台詞がとても素敵で
この脚本全部読んでみたい、舞台見てみたい!って思いました。
残念ながら地方公演も私の住んでいる地域までは来ないようで、今回は無理そうです…残念。
でも、いつか見てみたい舞台の一つになりました。
教えていただいてありがとうございました。
紹介されている小田島さんの書かれた台詞がとても素敵で
この脚本全部読んでみたい、舞台見てみたい!って思いました。
残念ながら地方公演も私の住んでいる地域までは来ないようで、今回は無理そうです…残念。
でも、いつか見てみたい舞台の一つになりました。
教えていただいてありがとうございました。
| 零 | EMAIL | URL | 08/09/10 17:23 | VXJemPhc |
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