劇場:シアタークリエ
出演:葛山信吾・吉野圭吾・柳家花緑・山内圭哉・瀬川亮・森本亮治・猪野学・初風諄・山路和弘
原案:辻則彦「男たちの宝塚」 脚本:中島淳彦 演出:鈴木裕美
お勧め度:★★★(星3つ)
昭和20年秋・・・第二次世界大戦が終わったばかりの激動の時代。
幼い頃から宝塚の舞台に憧れていた若者・上原金蔵は、一枚の召集令状で青春を失い、今度は自らの書いた手紙で、人生を変えようとしていた。
手紙の宛先は宝塚歌劇団創始者・小林一三。内容は宝塚歌劇団への男性登用を訴えるものだった。
折りよく小林一三も、いずれは男子も含めた本格的な“国民劇”を、と考えていたのだ。
そうしてその年の12月に集まったメンバーは、上原をはじめ、電気屋の竹内重雄、宝塚のオーケストラメンバーだった太田川剛、旅芸人の息子・長谷川好弥、闇市の愚連隊だった山田浩二、現役のダンサー・星野丈治、と個性豊かな面々だった。
宝塚歌劇男子部第一期生として集められた彼らだったが、劇団内、観客などの大半が男子部に反対だ。前途多難が予想される彼らの担当者として歌劇団から、池田和也が派遣されていた。
池田の口からは、「“清く正しく美しく”の歌劇団内では生徒といっさい口をきいてはならない。」「訓練期間は2年。その間、実力を認められるものは2年を待たずに仕事を与える。」と厳しい言葉が語られた。
それでも男子部のメンバーはいつか大劇場の舞台に立てることを信じ、声楽・バレエ・・・とレッスンに明け暮れる日々が始まった。
報われぬ稽古の日々が一年近く続く中、やっと与えられた役は・・・馬の足・・・。そして男子部の存在を否定するかのような事件が起こり、彼らの心中は揺れ動く。
そんな中、新人・竹田幹夫が入って来る。
月日は流れて行く。やり切れない想いをかかえながらも、日々のレッスンに励む男子部の面々。しかしながら、彼らの出番は相変わらずの馬の足と陰コーラス。プログラムに名前すら載らない。それどころか、男子部反対の声はますます高まり、孤立無援の状況。そんな彼らをいつも暖かく見守ってくれるのは寮でまかないの世話をしてくれる、君原佳枝だけだ。
そんなある日、彼らの元に宝塚男女合同公演の計画が持ち上がった。
喜びにわく彼らだったが・・・・・・。
シアタークリエ 「恐れを知らぬ川上音二郎一座」以来二度目です。
前回は中通路後ろの席だったのであまり気にならなかったのですが。。。
実はこの劇場 前の席との感覚が結構狭い???
あの小さな空間に客席を詰め込んでいるのだから 仕方がないとはいえ。。。ちょっと辛かったです。
さて お芝居。
私は観劇の世界に宝塚から足を踏み入れたので、男子部があったことは知ってました。
で 劇中では 男女間の交流は一切禁止されたり、全く日の目を見なかったことになっていますが。。。。
実際には 寿美花代さんがTV番組で「男子部との合同の遠足」の写真を見せたりしていたので そこまで 厳しくはなかったようですね。。。
そして 男子部と歌劇団の合同公演も 実はバウホールであったと記憶しています。
なので その辺は お芝居用に変えているようですが(人物名や設定なども)中島さんらしい作品だったかなぁ?と思います。
とりあえず 原作を読みたくなったので 週末図書館で借りてきます(笑)
お芝居は 終戦の日。。。玉音放送から始まります。
小林一三翁に手紙を出したことで 男子部創設が決まった。。。などという導入部分は上原@花緑さんと池田@山路さんで語られます。
宝塚とは何ぞや??を知らない人でも 理解できるように。。。そんな気遣いを感じました(笑)
とはいえ 終戦を迎えて、それぞれの思いを抱えて男子部に入ってきて。。。。
レッスンに励む彼らの姿は 清々しくて 楽しくて。
舞台では「馬の脚」と「影コーラス」にスポットが当たってしまっていて、完全にただ飯食いに感じられてしまうメンバーがちょっと可哀想かも(笑)
あと 初演は拝見してないないので 分からないのですが。。。
一部キャストの方が笑いの方向に走りすぎなのが気になりました。
イエ それが悪いって言うんじゃないんですけど。。。
やっぱり 作品の空気が変わったり 役柄から外れた感じの 笑いって やっぱり あまり好きじゃないので。
やっぱり 光っていたのが 山路さん。
「彼らに日の目を見せたい!」と言う想いがにじみ出ていて 切なかったです。
後は猪野さんも 良い味出してましたw
まぁ。。。彼らは元々新劇の人たちですしね。。。お芝居が良い感じなのは ある意味当然ですがw
すごいなぁ。。。と思って観ていたのが君原@初風さん。
いや 実際。。。(ネタバレですけど)宝塚のOGさんというのは 予想できました。
でも 下宿屋の 掃除のおばちゃんをしているときはそれなりに可愛らしいんだけど。。。。
宝塚の娘役の声を出したときに身体中から出るあのオーラ!!!
圧倒されました。
そして 現役時代と変わらないんじゃないの??と感じられるほどの あのきれいなソプラノ!(大劇場できる前の生徒さんがああいう声の出し方をするか??というのは別としてw)
やはり (今と違って)宝塚の一時代を築いたスターさん独特の雰囲気と風格そして気品が感じられました。
客席にいてもあれだけ圧倒されるんですもの。BOYSたちは 本当にびっくりしたでしょうねぇ~。
さすが ベルばら初演から 退団まで 全作品でマリー・アントワネットを演じた 伝説の生徒さんだわ。。。。
私は数作しか観ていないので余計かもしれませんが、舞台復帰後の今までの初風さんからは あまりイメージできないかも??(笑)
最後にはBOYSたちによる 宝塚で夢見ていた 夢のレビューシーンがあります。
・・・・9年間レッスンしていた割には。。。。お上手ではないかも(笑)←名ダンサー吉野さんは別格。
ただ 彼らが夢見ていて かつ叶うことのなかった姿を実際に見せることで、その後に感じる切なさは強くなるでしょうね。
そういう効果狙っていたのかな???
最後は切なさ一杯で幕が下りたのでした。
この次は。。。もう少し笑いの要素をおさえた作品にして 観たいです。。。。
日替わりネタと思われる 役柄から離れた笑いに走るのはやめましょうよ~~~~~。

基礎体温【 36.66】度
2008,08,20 Wed 16:51
コメント
linlilinさん>
きゃ 前のコメントお名前間違ってる。。。
ごめんなさい≦(._.)≧
そして 理解力なくてごめんなさいでした~
linlilinさんは両方ご覧になっていたのですね^^
それぞれの違いとか感じられて面白かったでしょうね~。
コクーン版 私も行きたかったのですが 日程が合わず断念しました。
きゃ 前のコメントお名前間違ってる。。。
ごめんなさい≦(._.)≧
そして 理解力なくてごめんなさいでした~
linlilinさんは両方ご覧になっていたのですね^^
それぞれの違いとか感じられて面白かったでしょうね~。
コクーン版 私も行きたかったのですが 日程が合わず断念しました。
| しおん | EMAIL | URL | 08/08/22 16:01 | ssJ4.hPI |
再び、おじゃまします。私は、パブリックシアターのミュージカル版も見ています。こちらの方に畠中さんは、出演されていましたね。もちろん、コクーンの蜷川さんの舞台も見ています。私こそ、混乱しそうなコメントで申し訳ありませんでした。失礼しました。
| linlilin | EMAIL | URL | 08/08/21 20:28 | Lh9.Qx56 |
linlinさん>
ご来訪ありがとうございます^^
映画の方も実は興味深く読ませていただいてました^^
「太陽が死んだ日」私の中で主役はアタウアルパですよ(笑)
「キッチン」linlinさんがご覧になったのは 蜷川さんの演出のかしら?
私それは観はぐっちゃったんですー。
私が書いたのは 世田谷パブリックシアターで上演されたミュージカルの「キッチン」です。分かりにくくてごめんなさい^^
主演が畠中さんで 相手役が鈴木ほのかさん。他にも豪華キャストだったんですよ^^
骨太なとっても良い作品でした。
ご来訪ありがとうございます^^
映画の方も実は興味深く読ませていただいてました^^
「太陽が死んだ日」私の中で主役はアタウアルパですよ(笑)
「キッチン」linlinさんがご覧になったのは 蜷川さんの演出のかしら?
私それは観はぐっちゃったんですー。
私が書いたのは 世田谷パブリックシアターで上演されたミュージカルの「キッチン」です。分かりにくくてごめんなさい^^
主演が畠中さんで 相手役が鈴木ほのかさん。他にも豪華キャストだったんですよ^^
骨太なとっても良い作品でした。
| しおん | EMAIL | URL | 08/08/21 15:20 | ssJ4.hPI |
しおんさま、マイブログにコメントをありがとうございました。「太陽が死んだ日」本当に良かったですね。畠中さんの超スリムで長髪のインカ王、アタウアルパは、まるで本物のインカの人のようにハマっていました。正直、主役よりも目を引きました。再演を待っていますが…。
私も「キッチン」見ています。コクーンでのユニークな舞台設定も見ものでしたね。
マイブログは、洋画を中心にしていますが演劇もたまに書いています。ありがとうございました。
私も「キッチン」見ています。コクーンでのユニークな舞台設定も見ものでしたね。
マイブログは、洋画を中心にしていますが演劇もたまに書いています。ありがとうございました。
| linlilin | EMAIL | URL | 08/08/20 20:26 | VnP2f/SM |
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