劇場:シアターコクーン
出演:吉田日出子・串田和美・笹野高史・さつき里香・大森博史・真那胡敬二・小日向文世 他
作:斉藤 憐 演出:串田和美
お勧め度:★★★★
日中戦争が開戦する1年前の1936年の初夏、クラリネット奏者である波多野は、妻であるまどか(マドンナ)と上海にやって来る。軍国主義が広まりつつある日本を離れ、ジャズを自由に演奏できる上海に行くために、波多野は妻をパリに連れて行くとだましたのである。
2人を迎えたトランペット奏者の松本(バクマツ)はギャンブルが好きで、つねにクラブ「セントルイス」のオーナーのラリーから前借り(バンス)をしている。やがて松本はラリーの愛人であるリリーと恋に落ちる。松本に怒りを表すラリーを仲裁するまどかと松本も、彼らとともにクラブのショーに出演することになる。
松本とリリーが結婚して間もなく日中戦争が始まり、日本の軍隊が上海にも侵略の手を伸ばすことで、上海からは自由もジャズも消えていく。やがて戦争が終わり、再び自由が戻って来た時には、波多野は阿片中毒で廃人となり、戦争に駆り出された松本は戻って来る途中で死んでしまう。
もう二度と観られないと思っていた「上海バンスキング」16年ぶりの再演に行って参りました。
今回はキャストの発表が開演の1時間前ということで。。。かなりドキドキして劇場に着きました。
上演時間3時間超の作品ですからキャストの体力の問題とか色々あるんでしょうね。
結局・・・
デコさんをはじめ、串田さん、笹野さん、さつきさん、大森さん、真那胡さん、小日向さん 他の皆さんもみんな観られた~~~!!
客席は大賑わい。この不況の中立ち見も出ていました。
そして 最近の舞台には珍しく 観客の年齢層高し&男性率、ご年配の夫婦率高し。
おじさまおばさまのご夫婦が仲良く観劇している姿 とっても素敵でした。
昔からの 自由劇場ファンがみんな 待ってたんだなぁ・・・・。と実感します。
幕開きは 笹野さん演じるバクマツの郷愁溢れるトランペットのソロ。(恐らく、今の皆さんがこの作品をやるに当たって 意図的な改変)
もうこの時点で 涙々~~~ でした。
ま・・・正直・・・。
初演は30年以上前で キャストがそのままな訳ですから 最初は当然皆さん20代には見えないんですけど。。。デコさん台詞も怪しかったし。(笹野さんと多分小日向さんも増毛してるしw)観ているうちに そこにいるのはもうまどかでありシローでありバクマツであり。。。。
16年前のファイナル公演と同じ感動をいただきました。
カーテンコール後、役者さんたちが演奏しながら通路を通ってはけていきます。
おっとりと椅子に座っている夫を急かして ロビーへGo!
急かされた夫は「エー?(ё_ё) (ё。ё)ナニー?」状態。「いいいい 行けば分かる~~~!!!」
昔と同じように出演者勢揃いで「リンゴの木の下で」「ウェルカム上海」を演奏してくれました。
笹野さんや小日向さんをはじめとする奏者が役者さんの顔じゃなくて音楽家の顔になってるんですよね~。
まどかの仮面をはずした おっとりデコさんもやっぱり素敵。(
このロビー演奏でまた 涙 だ~~~!
私と同じように涙拭いている人はたくさんいらっしゃいました。
みんな待ってたんだよね。。。
そのロビーに流れる暖かい空気も独特でいいものでしたよ。
は~ やっぱり良い作品でした。
夫は そこまで良いと思えなかったみたいだけど この作品の良さは分かってくれたみたい。曰く「20年前に観たかった」と。
その頃は舞台に出会ってもいなかっただろうに。。。
あ~ また この作品に出会えて幸せでした^^

2010,05,14 Fri 10:01
